ポール・オースター『孤独の発明』

孤独の発明 (新潮文庫)

孤独の発明 (新潮文庫)

いやー読んでてこんなにゾワゾワしたのは、1X年前に安部公房にはまった時以来だわ…
 
カフカ文学や中南米文学が追求した共同体の暗部や孤独、匿名性を非常にわかり易い形で突きつけてきます。
 
氏のエッセイ集を読むと、まさに良心と良識そのもののような人物像が浮かびますが、
その裏にはやはりとんでもない闇が隠れているのでしょう。

彼の瞳の色はやはり狂気に近いほどの孤独を抱えていた。
                             ―――吉本ばなな