70年代ジャズの悲劇

70年代ジャズ……と、ジャンル名としてしまうのも危なげな感じですが…('A`)

The Mad Hatter

The Mad Hatter

チック・コリアの傑作、マッド・ハッターが、つい最近になって再発されました。
チックの全作品の中でもトップクラスの名作であるにもかかわらず、
このアルバムは長い間絶版されていて、入手が非常に困難でした。
どのジャズの本を見ても載っているであろうチック・コリア
ましてやその最高傑作の一つ。それが長いことCD屋に並ぶことすらなかったのです。
少し調べてみれば、名前は有名でも現在日の目を見ていないアルバムは他にも数多くあるはずです。
 
他にも例を挙げると、70年代のジャズを語る上で決して欠かせないのがECMレーベル。
だというのに、70年代のアルバムで現在普通に発売されているのは
ごく有名な一部のアルバムのみ。*1
70年代に活躍したECMピアニストに例えばスティーブ・キューン、リッチー・バイラークを
挙げてみると、ECMプロデューサーのマンフレット・アイヒャーと意見および音楽の方向性の
違いによって諍いを起こして大半が絶版のままになっています。
70年代キューンのアルバムはは現在『Trance』『Ecstasy』の二枚のみが発売されています。
バイラークは『Eon』(←数年前に再発)『ELM』『Hubris』の三枚のみ。
 
評価と入手の容易さがまるでつりあっていないという現状なのです。
雑誌とかを読んでも、入手できないアルバムが大きく語られたりして歯痒い思いをすることも多し。
 
…大都市に住んでる人なら状況は多少は緩和されていると思いますが(゜∀。)
 
初期の澤野工房はMichel Herrなど70年代ユーロジャズの
知られざる傑作を発掘してくれてありがたい限りだったんだけど、最近は新譜ばっかりで残念。

*1:ECMレーベルというのは、当たりとはずれの差がとんでもなく大きいので、決して悪い傾向とは言い切れないわけですが…