Steve Kuhn『Ecstasy』

エクスタシー

エクスタシー

70年代、ECMレーベルでアルバムを出していたスティーブ・キューン。
その幻想感あふれるプレイは、当時のキース、チック、ハービー等の御三家にも
引けを取ることの無い個性にあふれていたが、
キューン本人は、ECMプロデューサーのマンフレート・アイヒャーに気に入られるような
演奏をしていただけで、実際自分がやりたかったプレイではなかったと後に話している。
しかし、本人が望むものではなかったとはいえ、当時の演奏に心惹かれ、
現在のバップ志向のキューンに歯痒い思いを持つ者は多い……
 
……というのが、日本(世界全体?)におけるスティーブ・キューンの一般的と思われる評価であります。
 
現在普通に入手できる70年代キューンのアルバムは、ECMレーベルに残した
『Trance』、『Ecstasy』の二枚だけです。他は全て絶版。
彼の評価が偏るのは、この点にも問題があるような気がしますなり。
 
本作は、彼の演奏の持つ幻想性と狂気が純粋抽出された傑作。